1999年10月07日 |
新第一塩ビ、今月の定修時に徳山工場の原料受け入れ装置、出荷サイロを増設 |
水島工場休止に向け、移行グレードの生産体制構築へ |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:新第一塩ビ、住友化学、トクヤマ、日本ゼオン |
新第一塩ビは、新体制発足にむけ、来年3月に水島工場を休止するなど新たな供給体制の構築を急いでいるが、今月実施する徳山工場の定修期間中に水島からの移行グレード生産に対応するため、重合設備への原料受け入れ装置および出荷サイロの増設を行う方針だ。また現在、他社とのOEM交渉も進めているが、関西地区のメーカーとの間で年間数万トンの生産委託を行う方向で交渉が大詰めを迎えている。さらに来年の10月の定修期間中には同設備のデボトルネック解消工事を実施、年産1万トン程度の増強を行うなど安定供給の構築を図る方針。 同社は1995年7月に日本ゼオン、トクヤマ、住友化学のPVC(塩化ビニル樹脂)事業を統合して発足、設立後は、製造、物流面などでの合理化を進めてきた。しかし一昨年来の不況の影響により業績が一段と悪化、厳しい事業運営を強いられてきた。こうした状況の中、今年5月には事業再生を図るため、トクヤマ主導の事業運営体制、一段の最適生産構造の実現に向けた再構築を行ない、コスト競争力の強化を進める方針を決めている。 同社の現在の汎用PVC能力は千葉工場年産8万トン、水島工場12万トン、徳山工場12万5,000トンの合計32万5,000トンだが、来年3月に水島工場を休止、休止分を徳山工場からの供給および他社とのOEMに切り替える方針を決めていたもので、今回の徳山工場における移行グレード生産体制を構築することで、関係ユーザーへのグレード品質評価を進め、設備移行を早急に完了したいとしている。 また、徳山工場における新鋭設備増設も視野に入れて、PVC需要動向、事業採算性を見ながら、最適生産構造の構築を実現したいとしている。 |