1999年10月04日
出光石油化学、SPSで海外コンパウンド拠点の構築を検討
輸出比率は50%超に~次期ニートレジン新設は海外も視野
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 出光石油化学は、機能性樹脂事業の一つとして積極的に展開しているシンジオタクチックポリスチレン(SPS)について、輸出比率が50%を超えるようになっていることから、海外コンパウンド拠点の構築を検討している。同社は、すでに汎用樹脂でアジアに展開しており、これらの拠点にSPS専用工程を追加する方針。また、次期ニートレジン設備の増設についても、輸出比率が高まっていることから千葉のほかアジア地域での設置も視野に入れ検討を進めている。
 SPSは、コネクターなどの電子部品から自動車部品や家電製品の筐体など、用途が広がりつつあるが、これにともない日系企業の海外拠点向けの需要が増えつつあり、輸出比率が50%を超えるようになってきた。出光石化は現在、マレーシアにポリスター・コンパウンド社、インドネシアにイデミツ・コンパウンディング(インドネシア)社を有し、主にPSの難燃コンパウンドを生産している。今年初めには、日本国内で行っていたPS難燃コンパウンドの生産を両社に委託するなど、PSコンパウンドの最適供給体制を構築した。こうしたことから同社は、これら既存の海外コンパウンド拠点を活用する考えで、SPSの専用工程を追加し海外でコンパウンドを生産していく考え。
 また同社は、2002~2003年をめどにニートレジン設備の新設を検討しているが、その際には千葉だけでなくアジア地域での建設も検討している。SPSの原料は、PSと同じくスチレンモノマー(SM)であり、同社の海外SM生産拠点があるマレーシアも有力な候補と見られる。