1999年09月30日
チッソとファイバービジョンズ、複合繊維事業で合弁会社を設立
国際市場で協力、グローバル展開強化へ
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:チッソ

チッソは30日、ポリオレフィン系複合繊維(ES繊維)事業を世界的に拡大するため、米国ハーキュレスの100%子会社であるファイバービジョンズと合弁会社を設立することで合意した、と発表した。
新会社の名称は「ESファイバービジョンズ」で、設立は1999年10月、営業開始は2000年1月1日を予定している。出資総額は300万USドル(約3億1,800万円)で、チッソの100%子会社であるチッソポリプロ繊維とファイバービジョンズの折半出資の予定。社長にはチャールズ・L・ロビンソン氏(現ファイバービジョン副社長)が就任する。
チッソは、衛生材料市場が世界的に需要拡大が続く中、その素材である複合繊維事業のグローバル展開を進めている。生産設備はチッソポリプロ繊維・守山工場(滋賀県守山市)および広州ES繊維有限責任会社(中国広東省広州市)にもっている。
一方のファイバービジョンズは、PPステープルファイバーの世界最大のメーカーで、衛生用途、自動車、装飾および工業分野向けの繊維製品を生産している。生産設備は米国ジョージア州アテネおよびコビントン、蘇州(中国江蘇省)、デンマーク・バルデにもっている。
両社では日本を除く全世界において合弁会社を設立し、複合繊維のすべての事業活動を新会社が引き継ぐ。チッソは、複合繊維に関する技術ライセンス、広州および守山で生産する製品を、ファイバービジュンズはバルデおよびジョージア州アテネで生産する製品を新会社に供給することになるとしている。
今回両社が合弁会社を設立することで、新たな顧客の開拓など事業展開のスピードアップと収益の拡大が期待できるとしている。