1999年09月24日 |
塩ビ樹脂生産、今年は260万トン台回復も |
内需回復基調に、引き続き輸出好調で史上第2位の公算 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会 |
PVC(塩ビ樹脂)の国内需要がようやく回復基調に乗り、今年1~12月の生産量は5%増の260万トン前後に達する見通しが有力となってきた。過去最高だった1997年の260万7,000トンに次ぐ高い水準が見込まれている。 PVCの生産は国内景気の低迷による内需の落ち込みから不振が続き、98年は国内向けが172万トンで前年比85.4%にまで落ち込んだ。しかし、輸出は中国を中心としたアジア各国からの強い引き合いにより75万1,000トン、前年比128.3%と過去最高となった。この結果、生産量は94.8%の247万トンと96年レベルに落ち込んでいる。 この傾向は今年の上半期まで続き、VEC(塩ビ工業・環境協会)によると、1~6月生産量は前年比95%の115万8,789トンにとどまっていた。しかし、月単位でみると、7月以降回復がみられ、7月20万7,700トンで109.0%、8月20万600トンで107.2%と連続して前年を上回るペースの生産が続いている。 8月は出荷をみても硬質用104.6%、軟質用108.5%、電線その他106.0%とまんべんなく前年比プラス。輸出も東南アジア市況の回復から101.2%と引き続き高水準となっている。 塩ビ業界筋によると、最近は国内景気の回復を反映して、建設資材分野を中心に需要家筋からの買い引き合いがつよい。他の分野も回復が顕著で、内需の増加傾向はこのまま続くとの見方がつよい。国際的にナフサ価格の高騰に伴う原料EDC、モノマー価格の上昇がなお継続するとの観測が広がっていることも一因とみられる。 このためPVCの今年の生産量は、前年比プラスとなることは確実。業界首脳の間では前年比5%増、260万トンは固いとの見方も有力となっている。 |