1999年09月22日
VEC首脳会見「塩ビ復活、値上げに需要家は理解を」
生産量連続前年比プラス、海外引き合いも活発
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:信越化学工業、東ソー、塩ビ工業・環境協会

 塩ビ工業・環境協会(VEC)の金川千尋会長(信越化学工業社長)、古田武(鐘淵化学工業会長)、田代圓(東ソー社長)、専田彬(東亜合成相談役)の副会長3氏は22日の定例記者会見でそれぞれ発言し「塩ビの需要は復活しつつある。海外でも市況は急上昇しているが、原料価格が上がっているときだけに、早く需要家筋の理解を得て価格修正を達成したい」と、今回の樹脂の値上げにつよい意欲と自信をみせた。3氏の発言要旨は次の通り。
 〓8月の樹脂生産量は20万689トンと2か月連続して前年を上回った。モノマーは28万1,750トンで17%増と大きな伸びになっている。国内向け出荷に回復がみられていることが大きい。このままだと今年は年間トータルで5%の増加が期待できる。〓塩ビには東南アジアを中心に海外からの引き合いもつよい。海外市況は現在PVCトン700ドル、VCM500ドル、EDC300ドルが相場だが、各国とも経済が回復基調にあるうえ原油、ナフサなど原料に対する先高観や2000年問題への不安なども買い引き合いがつよまる原因になっているようだ。この傾向は年内いっぱい続くとみられている。〓国内でも塩ビ各社はそれぞれ樹脂値上げの交渉に入っている。物性、加工性、経済性、環境への影響など、あらゆる点からみて優れた樹脂なので、早く達成したい。EDCやVCM価格も上がっているのでユーザーにはこうした事情は理解してもらえると思う。