1999年09月21日
三菱ガス化学、過酢酸分解の新酵素を開発
「アスクスーパー」~食品工場の廃水処理に有効
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:三菱ガス化学

 三菱ガス化学は21日、食品工場などで除菌剤として使用される過酢酸を含んだ廃水処理に有効な過酸化水素分解酵素「アスクスーパー」(商品名)を開発、販売を開始した、と発表した。
 食品製造工場などで広く使用されている過酢酸は、過酢酸と過酸化水素の混合物(平衡過酢酸)で、強い殺菌作用と広い抗菌スペクトルを持っている。このため過酢酸を含んだ排水はそのまま生物処理できず、前処理として過酢酸を分解させる必要がある。これまでは水酸化ナトリウムなどで中和した後、還元剤で処理する方法がとられてきた。しかし、添加する還元剤がCOD源となり、排水のCOD値が上昇するなどの問題がある。
 同社が開発した「アスクスーパー」による処理方法は、平衡過酢酸を無害な過酢酸と酵素および水に分解するだけでなく、排水への悪影響がないため自然環境への負荷が大幅に低減できる。また、使用量も少ないため、設備投資を抑制できるなどの利点がある。
 同社は、新潟工場で生産。酵素はカタラーゼで、これまでは主に繊維染色や半導体排水処理用に販売してきたが、今回新たな用途を開発したことから、需要の増加が見込めるという。