1999年09月21日
アジアのポリオレフィン市況上昇続く~HDPEは800ドル超えに
原料コストプッシュ、値上げオファー相次ぐ
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 アジアのポリオレフィン市況は、原油・ナフサをはじめとした原料の高騰が続いていることからコストプッシュ圧力が強まっているが、需要も中国をはじめとして旺盛な引き合いとなっていることから、韓国メーカーを中心にオファー価格引き上げの動きが強まっている。
 HDPE(高密度ポリエチレン)では、今月はじめにはCFR・トン680~695ドル程度での取引が続いていたが、先週には700ドルを超え、現在は750ドル前後にまで急上昇している。さらに韓国メーカーでは800ドルでオファーを出し始めており、一段と上昇基調が続くことが確実視されている。業界筋では、HDPE輸出価格の採算点は、キャッシュコストベースでエチレン価格プラス200ドル、フレートを加算するとプラス250~300ドルが適正だとしており、現在のエチレン価格が600ドルを超えていることを考慮すると850~900ドル水準にまで上昇する公算が強いと見ている。
 一方、LDPE(低密度ポリエチレン)では現在は850ドルが実勢だが韓国メーカーでは900ドル以上でのオファーを開始、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)でも750ドルが実勢だが800ドル以上でオファーしている。
 さらに需要面ではY2K(2000年)問題もあって、ユーザー側に在庫積み増しの動きも目立ってきていることから、こうした市況の強含みの展開はしばらく続いていくとの見方が支配的になっている。しかし、不需要期に入る年末から旧正月にかけての反動を懸念する見方も出ている。