1999年09月21日
ダウ化工、押出発泡PS断熱材を値上げ
10月21日出荷分から1枚あたり100円
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 ダウ化工は21日、主力商品である押出発泡ポリスチレン断熱材について、10月21日出荷分から値上げする、と発表した。値上げ幅は代表銘柄のスタイロフォームIB(JIS A9511B類保温板1種 25ミリ×910ミリ×1,820ミリ)1枚あたり100円となっている。
 値上げの理由は、〓バブル崩壊以降、長引く景気低迷にともない建築、住宅需要が落ち込み、ユーザーからの価格引き下げ要求が強まり、価格の下落傾向が慢性化していること、〓原油、ナフサの高騰、基礎化学品メーカーの減産体制が浸透する一方で、アジア諸国の景気回復が本格化してきたため、主原料のポリスチレン(PS)需給が逼迫、大幅な値上がりとなっていること、〓押出発泡ポリスチレン板は、商業ビル、マンション、戸建て住宅の断熱材として用いられているが、発泡剤の代替フロン、ノンフロンへの転換やリサイクル体制の強化など、環境対策が従来からコストアップ要因になっていることなど。これらが収益を圧迫、企業努力の範囲を超える経営負担となったため、製品価格への転嫁が不可避と判断した。
 なお、最近はユーザーの要望により小ロット配送にかかる物流費の負担も予想以上に増加、一層経営を圧迫しているため、今後ユーザーに対し一定基準以下の少量配送については別途適正な配送費の負担を要請していく方針。