1999年09月16日
大日本インキ、EPS事業を積水化成品に譲渡
スチレン事業再構築、独自分野に集中図る
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:積水化成品工業、大日本インキ化学工業

スチレン事業を再構築中の大日本インキ化学工業は16日、その一環として、採算的に見通しの立ちにくい発泡ポリスチレン(EPS)事業から撤退、9月末日かぎりで同事業を積水化成品工業に営業譲渡することを決めた、と発表した。
同社はEPS事業の構造改革を図ろうと、昨年10月から四日市工場(年産能力3万トン)での生産を中止し、積水化成品に生産委託(OEM)するとともに販売活動に専念してきた。しかしEPSを取り巻く環境はいぜん厳しく、収益体質への転換は困難と判断、撤退することにした。
同社がEPS事業に進出するため四日市工場に年産1万トン設備を完成したのは1982年。その後90年には3万トン規模に拡大するなど、事業は順調だったが、新規メーカーの参入や家電メーカーの海外シフトによって主用途である緩衝材向け需要が落ち込んだことなどから需給バランスがくずれ、採算的に厳しい状況となっていた。
今後は、この夏完成した大型プラントによる汎用ポリスチレン(GPPS)と、そのダウンストリームである延伸PSシート、またプラント専用化による独自の透明耐衝撃性樹脂(商品名=クリアパクト)等をベースにスチレン事業のコスト競争強化と特殊化を図り、事業基盤を強化していく方針。