2002年02月28日
セイコーエプソンが高分子系有機ELの製品化急ぐ
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:三洋電機、昭和電工、住友化学、セイコーエプソン、大日本印刷、東北パイオニア、パイオニア

 セイコーエプソン(草間三郎社長、諏訪市)は英CDT(ケンブリッジ・ディスプレー・テクノロジー社)が開発したインクジェット技術での高分子系有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレーのライセンスを導入、工業化を急いでいるが、この夏にも製品の商品化にふみきることになりそうである。
 
 有機EL材料には低分子系と高分子系(ポリマー)があるが、従来の単色やエリアカラーで実用化され、カーナビや携帯電話の画面に使われている有機ELには低分子系のものが使われている。しかし、最近はフルカラーやパネルの大型化が求められ、これに対応する形で高分子系有機ELの製品化が活発になっている。
 
 セイコーエプソンでは高分子系の高精度パターンニングができ高精細ディスプレー向き、高いスループットでの成膜が可能、大型パネル化が容易、材料がムダにならず環境対応型、などの特徴が生かせるとしている。すでに世界最高の解像度(画素ピッチ100PPi)で2.8インチサイズの26万色アクティブフルカラーディスプレーの試作を行っている。
 
 同社では大日本印刷、住友化学、昭和電工などの有機EL部品メーカーと接触しているもようで、低分子系の有機ELディスプレーを開発中の東北パイオニア、三洋電機などと競合の行くえが注目される。