1999年09月14日
丸善石化エチレン高水準、スポット輸出余力なし
アジア市況高騰、各地の引き合いに応じられず
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:住友化学、丸善石油化学、三井化学

 石化品需要の回復に伴い、センター各社のエチレンプラント稼働率は高水準が続いているが、一工場当たりとしてはわが国最大の生産設備をもつ丸善石油化学は、コンビナート内ユーザーへの供給がフル状態のため、アジア向けスポット輸出の余力がなく、引き合いに応じられない状態、同様のセンターは今後も出てくるとみられる。
 同社は千葉工場内にエチレン3号機(年産能力は定修スキップ年52万5、000トン)と、京葉エチレン(同63万7、000トン)の設備合わせて116万2、000トンの生産設備をもち、定修スキップ年に当たる今年は、能力いっぱいの生産が見込まれている。京葉エチレンは住友化学、三井化学両社が25%ずつ引き取っているものの、丸善石化自体の販売能力も85万トンと大きく、年間約5万トンを台湾など数カ国に長契輸出しているほか、供給に余力が生じた場合はスポットによってさらに3~4万トンのエチレンを輸出してきた。
アジアでは経済の回復からエチレンの需要が高まり、市況もFOB600ドル台に上昇、同社に対しても、引き合いが活発化している。しかし、コンビナート内では誘導品の生産が揃って好調、とくに最近は千葉塩ビモノマーの休止により、京葉モノマーに生産が集中するなど、誘導品でのリストラの影響もあって、エチレンの生産、出荷はフル状態が続いている。