1999年09月13日 |
三井化学、PE国内価格ナフサリンクを基本に再構築へ |
海外競合分野はアジア市況リンク、適正な価格体系を模索 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:三井化学 |
三井化学は、PE(ポリエチレン)の適正な価格体系を構築するため、原料ナフサリンクを基本として、海外品との競合分野についてはアジア市況にリンクさせるなど、分野ごとに新たな価格体系作りを急ぐ方針だ。 同社では、原料ナフサ価格の高騰によって、PE全分野(エボリューも含む)を10月1日分からキロ当たり10円の価格修正を打ち出している。今回の値上げ分は、今年上期の平均ナフサ価格1万3,500円に対して、現在は1万9,000円を越すなど、ナフサだけで約5,000円のコストがアップとなっていることに対応したものとしている。 また今回の値上げは、今後のPE価格体系作りの一環になるとしており、PEコストとして、自社で〓コントロールできないコスト、〓コントロールできるコストを明確化し新たな価格体系作りを進める方針。具体的には前者はナフサなどの原料コスト、後者は需給バランス、商慣行、製品ごとの付加価値で、今回の値上げは前者に当たり、変動的なものであることから自動的に価格修正を行わざるを得ないとしている。 今後の価格体系として、上期の1万3,000円のナフサとPE価格を基準として、ナフサ価格の変動にリンクした価格体系作りを行うとしているもので、仮にナフサ価格が下降した場合にはPE価格の下方修正もきちんと行うとしている。 一方で、需要分野ごとにも実態に対応した価格体系も必要だとしており、とくにHDPE(高密度ポリエチレン)におけるフィルム、レジ袋分野では、レジン、製品ともに輸入品との競合があることから、これら分野ではアジア市況にリンクさせた価格体系作りを行うことになるとしている。 同社では、こうした明確化した価格体系の構築を図る一方で、グローバルスタンダードを基本とした商慣行、サービスの改革もすすめる方針で、国際競争力を視野に入れたPE事業の構築を急ぐ方針だ。 |