1999年08月31日 |
三菱化学と協和発酵工業、可塑剤事業統合で合意 |
2000年1月1日新会社設立、国内マーケット・シェア24%に |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:新日本理化、三菱化学、公正取引委員会 |
三菱化学と協和発酵工業は31日、可塑剤事業において両社折半出資により生産・販売を目的とする合弁会社を設立することで合意した、と発表した。 新会社は、資本金4億8千万円の予定で、従業員約20名、社名・代表者は未定だが、役員構成は4名で、両社から同数を派遣する。両親会社から国内可塑剤事業について営業譲渡を受け、公正取引委員会の事前相談を受け問題がなければ、2000年1月1日の営業開始を予定している。 三菱化学の可塑剤生産能力は四日市事業所に年産3千トン、関係会社の川崎化成・川崎工場8万3千トンの合計8万6千トン。協和発酵は子会社の協和油化・千葉工場8万トン、四日市工場10万4千トンと合計18万4千トンで、新会社は合計27万トン能力となる。 現在、国内の可塑剤の総能力はフタル酸系、アジピン酸系、トリメトリット酸系、ポリエステル系などの種類があり、国内で年間約44万トンの需要があるとされている。このうちフタル酸系が全可塑剤の80%を占め、中でもDOP(ジオクチルフタレート)の国内需要は22万と推定されている。新会社は98年ベース換算で同事業分野の24%のマーケット・シェアを持つことになる。 可塑剤事業を取り巻く環境は、景気の長期低迷による国内需要の大幅な落ち込み、国内外の競争激化による価格下落などにより厳しい状況が続いている。こうした状況の中、両社では単独での合理化努力には限界があり、将来を見据えた可塑剤儀事業の生き残りが可能な事業体質の強化を図るためには、両社の事業統合による抜本的な効率化・合理化以外に方策がないとして、今回の提携に踏み切ったもの。 両社の可塑剤事業は、類似した事業構造による共通の問題点を持つ一方で、ユーザーの重複が少なく、双方にとって事業統合による最大限の効果を期待できるとしている。 なお、協和発酵は現在、新日本理化とDOPなどの生産委託を行っているが、同契約は新会社がそのまま引き継ぐ予定。 |