1999年08月25日
旭化成工業、4QのAN価格、全ユーザー対象に30%値上げ
原料価格上昇で、第三次値上げに踏み切る
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:旭化成

 旭化成工業は25日、アクリロニトリル(AN)価格を、4Qから30%の値上げする、と発表した。対象は、国内および海外など全ユーザー向けで、1999年4Q新規契約分より、3Q比で30%の値上げを行う。同社では、今年2Qにも15%、3Q20%の値上げをそれぞれ実施しており、今回で第三次の価格改定となる。
 アジアのAN市況は、今年3月にはCFRトン360~385ドルと過去最安値の水準まで軟化し、同社も収益悪化が余儀なくされていた。そのため4月から第一次として7月から第二次と価格改訂を行ってきていた。さらにここに来ての一部メーカーの設備休止、誘導品需要の回復などにより世界的にバランスが改善されてきたこともあり、アジア市況も500ドルを上回り、現在は530~550ドル水準で取引されている。
 一方で、春先以降の原油価格の高騰などにより、原料価格が急上昇によるコスト悪化により、依然としてAN事業の収益は厳しい状況が続いている。
 しかし、アクリル繊維、ABS樹脂など誘導品需要は好調で、AN需給はタイトな状況であることもあり、同社でも第三次値上げに踏み切ったもの。