1999年08月23日
バイエル、まもなくタイのPC4万トンが完成
11月稼動予定/今後倍増およびBPA建設へ
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:バイエル

 独バイエルは、タイ・マプタプットで建設を進めていた年産4万トンのポリカーボネート(PC)製造設備を完成、11月にも商業運転を開始する。同社は、タイをアジアにおけるエンジニアリングプラスチックの生産拠点に位置付けており、さらに2002年までには、PC倍増および原料ビスフェノールA製造設備を建設する方針だ。
 現在、バイエルはタイにおいて年産7万トンのABS樹脂/AS樹脂を生産している。今回のPC4万トン設備はこれに続くもので、バイエルグループの生産能力は欧州(33万トン)、米国(17万トン)との合計で54万トンに拡大する。さらに同社は、2002年までにPCの生産能力を世界全体で70万トンに引き上げる方針を打ち出しており、2000年をめどにベルギーのアントワープでも新製法による4万トン設備の建設を進めている。
 このような方針に基づき、タイでは2002年までに4万トンを増設するほか、デボトル増強を含め11万トン程度まで引き上げる計画であり、第2期増設の完成にあわせて原料BPAも建設する。タイでBPAが完成するまでは、年初に16万トン設備が完成した米国からBPAを供給することになっていたが、米国のBPA設備は立ち上げにとまどり、6月に入ってようやく商業運転を開始した。なおバイエルはこのほかアジア地域では、中国でも4万トン規模のPC新設を検討している。