1999年08月23日
三菱化学、塩ビ樹脂9月出荷分から20円値上げ
原料高で採算悪化、事業再構築の模索継続
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:東亞合成、三菱化学

 三菱化学は、塩化ビニル樹脂(PVC)を、9月出荷分からキロ当たり20円の値上げを行う方針を決め、需要家との交渉を開始する。
 原料エチレンがナフサ高騰により上昇、二塩化エチレン(EDC)も輸入価格が高騰するなど一段と採算悪化が強まっていることから、値上げに踏み切ったもの。
 同社は、今年3月に水島事業所で年産6万トンのPVC製造設備を休止させるなど、合理化、過剰設備の整理など塩ビ事業の再構築を進めている。とくに一昨年からは東亞合成の川崎工場と年間5万トン枠でのスワップ(相互玉融通)を実施するなど物流の合理化を推し進めている。
 しかし、塩ビ事業を取り巻く環境は需要の低迷、販売価格の下降などにより厳しさが続いており、同社でも採算是正のため値上げが避けられないものとして今回の打ち出しに踏み切ったもの。
 同社では、塩ビ事業の再構築を進めるため、東亞合成との提携を継続する一方、関係加工子会社との連携強化など、新たな体系作りを模索していくとしている。