1999年08月17日
丸善石油化学、ビニルエーテル市場開拓進む
世界初の本格事業化、アセチレンを有効利用
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:BASF、丸善石油化学

 丸善石油化学ではアセチレンの有効利用策の一つとして独自技術で開発したビニルエーテル類製造プラントが順調な稼動をみせ、市場開拓が進むにつれ、稼働率も上昇中だ。
 設備能力は年産数100トンとセミコマーシャル規模だが、ビニルエーテル類は構造式によってHEVE(2-ヒトロキシエチルビニルエーテル)、HBVE(4-ヒドロキシブチルビニルエーテル)、DEGV(ジエチレングリコールモノビニルエーテル)の3種類の商品群で構成、さらに、NV2P(N-ビニル-2-ピロリドン)の製造が可能。このうちHEVEとDEGVは、セミコマーシャルながら世界で初めての企業化となる。またNV2Pはこれまで国産品がなく、独BASF、米ISPなどから輸入されていた。
 ビニルエーテル類はいずれもUV硬化コーティング剤、UV硬化塗料、潤滑油添加剤、昇面活性剤など、またビニルピロリドンは、ヘアーケア製品、化粧品類からスティックのり、感光性樹脂、ソフトコンタクトレンズなど幅広い用途をもっている。
 同社は京葉コンビナートの中核会社として、大型エチレン設備を運転中だが、石油化学誘導品の拡充にも力をいれ、とくに高機能製品の開発は積極的に取り組んでいる。