1999年08月13日
ポリオレフィン各社、強気で折衝
輸出価格も軒並み底上げへ
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 ポリオレフィン各社は、各関係商社とともにアジア諸国のトレーダーならびに主要ユーザーとの間で9月船積み分のポリオレフィン価格の底上げについて折衝を開始した。
 多くのポリオレフィンメーカーが8月分よりトン当たり20ドルもしくは30ドルの値上げを実現したい考え。LDPEのフィルム用品種の場合はCIF650~670ドルを、またHDPEの同じくフィルム用は620~630ドルを、さらにPPのフラットヤーン用は550~570ドルを目標にするところが多い。
ポリオレフィンのアジア地域の相場は、最近のナフサ高と需要の回復によって軒並み強含みとなっている。しかし、ナフサ相場が依然として上昇傾向をつづけているのと、円高の進行によって円単位の手取り価格の縮小してきたことからわが国のポリオレフィンメーカーの採算は逆に悪化している。このため、少なくともトン当たり20~30ドルの値上げは早急に実現したいとしており、話し合いによっては受注を打ち切る構えにある。
 このようにポリオレフィン各社が強気になっているのは、中国やアセアン諸国の需要が最近になってますます活発になってきたためだ。今年になって台湾やタイで稼動を開始したポリオレフィンの新プラントも旺盛な需要に支えられて高率操業を続けており、全体に需給は引き締まっている。この状態は年末まで続くと見る向きが多く、したがって強気で新局面を切り開くとするところが増えてきている。