1999年08月12日
PVCアジア市況、9月再び上昇基調に
中国引き合い回復、日本メーカー620ドルオファー
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 塩化ビニル樹脂(PVC)のアジア市況は、日本メーカーを中心に9月分をCFR・トン620ドルとする値上げオファーが打ち出されているが、中国市場の需要回復によってほぼ浸透する公算が強まっており、再び上昇基調に転じることが確実視されている。PVCのアジア市況は、年初には400ドル台まで軟化していたが、2月の旧正月明け以降、中国からの強い引き合いによって上昇が続き、7月には600ドルに達していた。しかし、8月は季節的要因から引き合いが減少、570~580ドルと7月に比べ20ドル前後下降しての決着となっている。
 日本PVCメーカー各社では、ナフサ、二塩化エチレン(EDC)、塩ビモノマー(VCM)など原料価格の上昇が続いていることもあり、引き続き値上げを打ち出しているもので、とくにメインユーザーである中国が建設、玩具など9月以降は需要期に入ることもあり、引き合いが活発化してくると見られている。また、日本メーカーのみならず、韓国、インドネシアなど各国メーカーでも600ドルを目指しての交渉が本格化してくるものとされており、再び上昇基調に転じることが確実視されているもの。