1999年08月10日 |
三菱化学、A-PETシート製造設備を増強へ |
2000年5,000トン新設、13,000トン体制へ |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:三菱化学、三菱化学ポリエステルフィルム |
三菱化学は10日、A-PETシート製造設備の増強を行う、と発表した。同社の100%出資の三菱化学ポリエステル・山東工場内において、2000年6月の営業生産を目標に年産5,000トンの設備増強を行うもの。現在同工場内には5,000トンのA-PET設備を有しているが、今年4月には鐘紡との折半出資会社である越前ポリマー・越前工場において3,000トンの増設を行い、合計8,000トン体制を構築しているが、今回の増設によってA-PET13,000トン体制となる。今年度の同事業の売上高は約19億円だが、2001年以降は30億円を見込んでいる。 同社は現在、ポリエステル関連事業として、テレフタル酸(PTA)、エチレングリコール(EG)などの主原料からフィルム、ボトル用ポリエステル樹脂、ポリエステルフィルム、A-PETシートなど加工品まで幅広い事業展開を行っている。とくにフィルムでは、子会社の三菱化学ポリエステルフィルムにおいてアメリカ、ドイツ、日本の三極体制を確立しており、これら生産技術、加工技術、商品開発技術を生かしたA-PETシート事業の積極展開を進めるもの。今回の設備では、これら技術の強みを生かして、廃棄物リサイクルにも大きく貢献できるとしている。 現在、国内のA-PETシート市場は、昨年が年間8万6千トンであったが、今年は10万トンを越える高い成長が見込まれており、2004年には15万トンに達すると予測されている。こうした中で、同社では今回の増強に踏み切ったもので、A-PET需要に対する供給責任、山東工場における系列複数化により多様化する顧客ニーズへの迅速な対応、打ち抜き屑の回収システムの構築による廃棄物の低減、医療用、工業用特殊品など、高付加価値品の開発を強化するとしている。 |