1999年08月10日
日本ポリケムがポリオレフィンの価格修正を表明
9月1からキログラム10円の値上げ
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:日本ポリケム

 ポリオレフィンの総合メーカーである日本ポリケムは10日、ポリオレフィン全品種の価格を9月16日の出荷分から引き上げる意向を表明した。対象品種は、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンの各樹脂すべてのグレード。上げ幅は、いずれも1キログラム当たり10円。適用期間は特に明示していない。
 値上げの理由については、ナフサの高騰による採算の悪化を挙げている。同社は、これまでの厳しい合理化努力によって最近は何とか収支バランスを確保できるようになっていたが、春以降のナフサの大幅な値上がりで再び赤字に転落する危機に見舞われてきたため再度値上げに踏み切らざるを得なくなったと各ユーザーに説明している。
 これによって、汎用樹脂の値上げ表明はすべて出揃ったことになる。ポリスチレンはすでに新価格が各需要家に受け入れられている。塩ビの場合は、最大手の信越化学が値上げを打ち出したものの本格交渉はまだこれからという段階にある。ポリオレフィンもいまのところ、日本ポリケム以外のメーカーは態度を明らかにしていない。しかし、どのメーカーもナフサの高騰には音を上げているので、向こう1~2週間の間には同様の値上げ表明に踏み切ると見られる。ただし、フィルムなどの加工製品メーカーの多くが強く反発しているので、説得にはかなりの時間がかかると見られる。