2000年08月09日 |
東ソー、ジルコニア粉末の増設工事が完工 |
年産370トンから620トンに |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東ソー |
東ソーは9日、南陽事業所において、昨年9月から進めていたジルコニア粉末の増設工事が8月10日に完工、ただちに運転を開始する、と発表した。今回の増設により生産能力は年産370トンから620トンとなる。 同社は現在、ジルコニア世界需要の約6割を有する世界最大のジルコニア粉末の製造メーカーで、とくに光ファイバー用フェルール(コネクタのオス部分)向けには9割前後のシェアを有している。 ジルコニアは光ファイバー用コネクタのフェルールとスリーブ(メス部分)に使用されるが、その優れた耐摩耗性としなやかさ、表面のきめ細かさ、コネクタ同士を接続した際に発生する光情報のロスを最小化できるという特性から、同用途では欠かせない材料となっている。ジルコニアを使用した光ファイバー用コネクタ部品は、世界的なインターネットの普及により、大容量伝送に対応した光ファイバー新規施設が活発化しているのに伴い、需要が急速に伸びている。 同社の生産しているジルコニアは、イットリア安定化ジルコニアというタイプのジルコニア粉末で、オーストラリアなどの海岸で取れるジルコンサンドという砂を原料に、安定化剤にイットリアを添加して作られる。とくにイットリアを5%添加したジルコニアは、従来のセラミックスの弱点である脆さを克服した画期的なファインセラミックスで「高強度・高靭性ジルコニア」とも呼ばれ、IT関連などの先端分野を中心に需要は大幅に伸びている。 |