2000年08月08日 |
PC、2000年以降の新増設計画は合計100万トン規模に |
計画集中するアジアは78万3,000トンの供給増 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:バイエル、三菱化学 |
高成長が続いているPC(ポリカーボネート)は、今年以降、合計100万トン規模の新増設が計画されている。特にアジア地域に計画が集中しており、同地域だけで78万3,000トンの供給増になる見通しだ。 PCは、CD-ROMやCD-Rをはじめとしたディスク用途や、PC/ABS、PC/PSなどのポリマーアロイ用途、シート用途を中心に需要が急速に拡大している。このため新規参入を含め、各社が多くの新増設を計画している。 新増設計画を年次ごとに追ってみると、2000年は三菱化学・黒崎、韓国・三養化成(デボトル)、テイジン・ポリカーボネート・シンガポール(TPS、同)、バイエル・ベルギーの4カ所で合計8万8,000トンに上る。さらにピークとなる2001年には、LGダウ・ポリカーボネート、旭美化成、出光石油化学/台湾プラスチック合弁、TPS、バイエル・ポリマーズなど全てアジア域内だけで25万5,000トンの供給増となる見通し。 このように新増設は、アジア地域に集中しており、特に日本のPCメーカーが絡んだ計画が目立つ。どのメーカーも新増設が完成すれば、グループ生産能力が20~25万トン規模に拡大、ほぼ横並びとなる。 また、世界的な大手メーカーの動きを見ると、最大手のGEプラスチックスは、1998年末にスペインのカルタヘナで年産13万トン設備を稼動させているが、さらにスペインで2期、3期の増設を計画、重合拠点を1カ所に集中して、各地に設置したコンパウンド設備で製品の高付加価値化を図る戦略をとっている。2番手のバイエルは、欧州において生産体制を強化する一方で、アジア地域の投資に積極的で、タイのバイエル・ポリマーズのほか、中国でも上海クロルアルカリとの合弁により2003年に5万トン、2005年には10万トンに倍増する考え。3位のダウは、来年夏のLGダウ・ポリカーボネート稼動を前に、昨年以降プレマーケティングを積極的に進めている。 このようにアジア地域で新増設計画が集中していることから、今後は域内のメーカーだけでなく、欧米のメーカーを含めた主戦場として、ますます競争が激化していくことは確実と見られている。 <参考>※http://www.c-nt.co.jp/cgi-bin/passFile.cgi?FILE=data/pj/pjpc>世界のポリカーボネート新増設計画 ※Eメールサービス会員の方のみご利用いただけます。 |