2000年08月04日
三菱化学、8月のPTA輸出価格560ドル目指し交渉本格化
9月分は一段の引き上げへ、マーケット動向を注視
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学は8月のPTA(高純度テレフタル酸)の輸出価格についてCFR・トン560ドルを目指す方針で、関係ユーザーとの交渉を本格化させる。また、ポリエステルの需要期を迎える9月分についても一段の引き上げを行う方針で、マーケット状況の動向を慎重に見極め判断する。
 PTAのアジア向け輸出価格は5月以降軟化、4~6月平均で530ドル水準が実勢となっている。需要面では、中国のポリエステル繊維の生産、輸出は好調に推移しているものの、煽りを受けた韓国、台湾では逆に減産が続いていることから、PTAメーカーでも減産による対応が続いている。
 同社でも6月からインドのMCC PTA インディアで約10%、韓国の三南石化で約20%の減産を実施しており、ユーザーともに在庫は低レベルにあるものと見ている。
 しかし、ここへきて原料から繊維までの各段階で、在庫が大幅に減少しており、需要期を迎える9月には一転して需給バランスが改善される公算が強まってきている。
 また、今月には韓国においてポリエステルの国内価格が100ウォンアップするなど、軟化が続いていたポリエステル価格も反転に転じるなど明るい兆しも出始めて来ている。
 PTA価格についてもスポット市場では中国向けの500ドル以下の安値品が一掃するなどしており、現在の各国での在庫状況などを考慮すると、需要動向によっては一転して強含みの展開となると見ている。
 一方、原料のPX(パラキシレン)価格については、一部台湾メーカー向けで2Qおよび3Qで500ドルで決着したとの観測があり、同社でも確認を求めていくとしている。