2000年08月03日
三井化学、次期記録メディアとしてDVD-Rを本格検討
CD-Rは、高品質化で差別化を推進
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、電子情報材料事業においてCD-Rの展開を加速させているが、次期記録メディアをDVD-Rと位置づけ、来年からアメリカあるいは欧州において本格生産開始を目指し開発を本格化させる。
 同社の記録メディア事業は自社開発の機能色素である「フタロシアニン」を記録層に採用、CD-Rに特化し、性能・耐久性の面から他社との差別化を図っている。生産は米国で月産300万枚、フランスで400万枚、アジアでは今年5月に茂原工場での生産を取りやめ、台湾メーカーへのOEM生産に切り替え、最大600~700万枚と、世界3極で1,400万枚体制を構築している。
 同社のCD-Rは、品質面での評価が高いこともあり、一般用・音楽用のみならず、反射膜に金を採用し、耐久性・高速記録性に優れ医療分野などをターゲットとした「プロフェッショナル」仕様を上市するなど高品質化による差別化も進めている。
 また、6月にはラインアップも一新し、販売拡大を図るとともに、インターネットホームページを活用した直販体制を本格スタートするなど、販売チャンネルの拡大も進めている。
 CD-Rの市場規模は昨年は全世界で年間14~17億枚と見られているが、今年は22~30億枚と倍増が見込まれている。こうした市場拡大は2003~2004年頃まで続くとされており、ピークには50億枚程度にまで拡大することが予想されている。しかし一段の高容量化の市場ニーズは高く、次期記録メディアとしてようやくDVD-R規格の統一が図られることもあり、同社でも引き続き記録メディア事業での展開を加速するためDVD-Rの本格事業化を推し進める方針だ。