2000年08月01日
EG、アジアで需給緩和進むも日本国内はウエルバランスに推移
相次ぐ定修で、下期は一転需給緩和も
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:日本触媒、三菱化学

 EG(エチレングリコール)は、韓国・台湾を中心にポリエステルメーカーの減産からアジアでは需給緩和感が広がっているが、日本国内では相次ぐ定修もあり、需給はウエルバランスで推移している。
 日本のEGメーカーでは6月から、三菱化学・鹿島、日曹丸善ケミカル・五井、日本触媒・浮島工場が相次いで定修を実施しているが、日曹油化工業・四日市がエチレンの休止により稼働を一時休止したこともあり、予想よりも需給が締まって推移している。
 こうした状況から、6月は輸出量と輸入品が1997年3月以来、一時的に逆転しているが、これは輸出量が7千トン台と大幅に減少したことが大きな要因となっている。
 業界筋では、年末に三菱化学が四日市事業所でのEG生産を休止することもあり、日本国内での自給化に向け、供給構造に変化が出始めているものと見ている。昨年の日本からのEG輸出量は29万トンだが、今年については20万トン前後になるものと予想されている。しかし、需要面では中国でのポリエステルメーカー保護政策の動向、遅れている米国での不凍液需要のシーズン入り、供給面ではカナダ、中東などでの新増設など、不透明な要因が多いとして、とくに市況動向次第では、下半期は一転して減産が広がる可能性もある見ている。