2000年07月28日
BASF、ビタミン事業をさらに拡大~コスト競争力を強化
武田薬品の事業を統合/今後2~3年で投資計画を実施
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:BASF、武田薬品工業

 BASFは、28日付で発表した武田薬品工業とのビタミン事業における提携は、同社が予定している投資計画の一部であり、今後2~3年以内に生産能力の増強と最適化を進め、さらなる事業の拡大を図る方針である、と発表した。
 同社は、ビタミンの成長市場における地位の拡大・強化のため、総額6億ユーロ(約660億円)の投資を計画している。今回の武田薬品との提携もこれに含まれており、さらに2~3年以内をめどにアジア、ヨーロッパ、北米において設備能力の拡大などに取り組んでいく考え。これらの結果、強力なグループ・プレーヤーを目指す。
 設備能力の拡大は、同社の技術ノウハウと効率の高い「フェアブント」システムをベースに進められ、ビタミンB2およびCの生産を含め、現有2社の能力の2倍以上に拡大させる予定。一連の投資が完了すると、同社は主力としているビタミンA、E、Cについても、最も競争力のある製造プラントを有することになる。
 世界のビタミン市場は、個人所得の増加と食肉消費の増加を背景に年率4%の成長が予想されており、特にアジア・太平洋地域や東ヨーロッパにおいては飼料添加剤の需要が期待されている。
 BASFのファインケミカル事業部プレジデントのクリスチャン・ドゥーテック氏は、「ビタミンなどのファインケミカルは長い付加価値チェーンの最後に位置している製品である。ビタミン事業の拡大は、結果としてBASF統合システム「フェアブント」全体をも強化することになる」と語った。