2000年07月28日
BASF、武田薬品とビタミンバルク事業で提携
日本で合弁会社設立/海外事業はBASFが取得
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:BASF、武田薬品工業

 BASFと武田薬品工業は28日、ビタミンバルク事業について、武田薬品の一部資産譲渡をともなう事業提携に合意、契約書に調印した、と発表した。今後、各国独占禁止法関係当局による審査の終了後に統合されることになる。
 統合後の事業概要は、世界のビタミンバルク市場で約30%のシェアを確保、医薬・食品、飼料分野に幅広いビタミン製品を提供、効率の高い営業ならびに販売組織を確立、技術面およびコスト面における世界的なリーダーシップを発揮、などとなっている。
 BASFは、ビタミンバルク事業で世界2位のメーカーであり、ビタミンA、同Eなど、脂溶性ビタミンを主力とし、同社の健康・栄養部門のファインケミカル事業の中核を成している。なお同事業部の1999年売上高は14億ユーロで、このうち医薬、食品、飼料分野向けビタミンの売上高は5億ユーロとなっている。
 一方、武田薬品のビタミンバルク事業は、フード・ビタミンカンパニーとして、日本のほか米国、ドイツなどに拠点を有している。ビタミンC、B1、B2、B6、葉酸などの水溶性ビタミンの世界市場において、医薬・食品分野を中心に事業を展開、世界のトップメーカーの一角に挙げられており、1999年度はビタミンバルク事業で255億円の売上高を記録している。

<事業提携の概要>
(1)日本において、ビタミンバルク事業の合弁会社(BASF66%、武田薬品34%)を設立、日本市場における両社のビタミンバルクの販売を担当する(合弁会社の詳細は、今後の協議で決定)
(2)武田薬品フード・ビタミンカンパニーの海外全額出資子会社の全株式をBASFへ譲渡し、海外市場ではBASFが統合されたビタミンバルク事業の全販売権を有する。
 対象となる海外子会社は、タケダ・フード・ビタミン米国とその子会社であるタケダ・カナダ・フード・ビタミン、独タケダ・ヨーロッパ、タケダ・フード・ビタミン・アジア(シンガポール)
 なお、タケダ・フード・ビタミン米国とタケダ・フード・ビタミン・アジアの食品事業は譲渡せず、武田薬品フード・ビタミンカンパニーが事業を継続する。
(3)武田薬品フード・ビタミンカンパニーはが保有するビタミンC1、B1、B6、葉酸などのビタミンバルク製造技術・特許をBASFに譲渡する。
(4)武田薬品フード・ビタミンカンパニーは、光工場(山口県光市)においてビタミンバルクの生産を一定期間継続、その全量をBASFへ供給する。