2002年02月26日
稲畑産業、積水化学の両社「汎用フイルム事業」で提携、生産統合へ
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:稲畑産業、積水化学工業

 稲畑産業と積水化学工業の両社は26日、積水化学の100%出資会社である積水フイルム(大阪市淀川区、西谷文男社長、資本金3.65億円)と関西地区で事業提携し、生産拠点を統合することで合意したと発表した。
 
 汎用フイルム市場は、ゴミ袋・レジ袋などの規格製品の輸入がここ数年、急激に増え、一方産業用包装資材などの受注生産品は、地場に密着して堅調に増加しているものの、国内メーカー間の競争が激しく、一層のクイックデリバリーとコスト競争力が要求されている。
 
 積水フイルムは、総合フィルムメーカーとして、機能フイルム、複合フイルム、農業フイルム、汎用フイルムの各製品を全国規模で展開しているが、関西地区では汎用フイルムエ場の大東工場(大阪府八尾市、吉川勇工場長)に生産拡張の余地がなく、今後の二次加工設備導入など、高付加価値化推進に限界があった。
 
 一方、稲畑産業のグループ会社、関西高分子工業(奈良県大和郡山市、神田富夫社長、資本金1億円)は、関西地区におけるフイルム製品の生産拠点で、二次加工設備や、新増設に必要な拡張スぺ-スをもっているところから、高付加価値化を目指して生産技術力、開発力の強化を急いでいた。

 こうした背景から両社の事業提携となったもので、提携骨子は次の通り
1)積水フイルムは大東工場の生産を中止し、設備を関西高分子工業へ移管する。移管完了は2002年5月1日とする。
2)積水フイルム大東工場の全従業員は、関西高分子工業へ移籍する。(工場長には現大東工場長が就任)
3)積水フィルムは、引き続き汎用フイルムの販売を継続し、従来の大東工場分の生産を関西高分子工業に委託する。
4)積水フイルムは、関西高分子工業へ5%出資する。

 今回の提携により、稲畑産業は海外生産拠点を含めたフィルム事業の再編成がしやすくなり、積水化学も稲畑産業の海外拠点を活用して独自の海外事業展開が狙えるるようになったとしている。