2000年07月28日
三井ホームと三菱レイヨン、湿式の外壁通気工法を共同開発
三菱レイヨンの「デラクリートセメントボード」を採用
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:三菱レイヨン

 三井ホームと三菱レイヨンは28日、湿式仕上げ用外壁通気工法であるPAW工法を共同で開発した、と発表した。
 今回開発した工法は、住宅金融公庫の融資対象全地域で次世代省エネルギー基準をクリアーし、サイディングなどに代表される乾式工法とモルタル塗りの湿式工法を融合した外壁下地工法で、耐久性に優れ、様々な仕上げ材に対応できる。
 三井ホームは三菱レイヨンから下地材のセメントボード「デラクリートセメントボード」の受給を受け、自社施工の専用住宅向けに全国で湿式仕上げ用通気工法として標準採用し、9月出荷分から対応する。
 構造駆体と外壁材との間に通気層を設けた工法である外壁通気工法は、1996年頃には乾式が6割強を占めるなど乾式工法の比率が高かったが、近年は風合いから湿式が増加、昨年度は逆に6割が湿式工法となっている。こうした需要が増加する中、三井ホームでは三菱レイヨンの「デラクリートセメントボード」に着目し、昨年秋から共同開発を開始、今回の提携となったもの。
 PAW工法の特徴は、従来の湿式通気工法よりもモルタル塗厚を薄くできるため、施工性を高めることができ、品質確保が容易になり、コストダウンが実現する。曲面壁にも対応が可能で、各種湿式系塗料、タイル、擬石材など乾式材も含め幅広い外装材に対応できる。また、下地の表層部に発生するクラックの発生量を従来の20%以下とする事ができ、現場の監理負荷が低減、安定した品質・施工精度をより容易に確保できるとしている。
 三菱レイヨンの「デラクリートセメントボード」は、無機軽量骨材入りポルトランドセメントを芯材とし、その表裏両面にガラス繊維ネット(耐アルカリ性)を埋め込んで補強した内外装不燃下地材のセメントボード。防火性・耐水性、耐凍結融解性、防虫・防蟻・防腐のほか、面材内にマイクロラックをあらかじめ発生させることで曲面壁に対応可能という特徴を持つ。同製品は米国USG社が1980年に開発、三菱レイヨンが1993年から総販売元として全国で販売している。今年度は2,500棟、売上10億円程度を目標に、2005年には1万棟、40億円前後の売上を見込んでいる。

<参考>PAW工法
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