2000年07月27日
上半期のPVC、VCM、生産・出荷ともに前年実績上回る
設備休止相次ぐも、下半期は需給タイト化の顕在化
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:東ソー、塩ビ工業・環境協会

 塩ビ工業・環境協会(VEC)は27日、6月の塩ビ樹脂生産実績をまとめた。
 PVC(塩ビ樹脂)の生産は信越化学、鐘淵化学工業の定修が実施されたこともあり、前年同月比91.5%の16万8,261トンと大幅に減少した。出荷は硬質用が同100.0%、軟質用同101.4%、電線その他用同102.7%と若干増加し、国内出荷計は同100.9%の14万2,136トンとほぼ横ばいであった。輸出は同109.8%の6万6,488トンと増加したため出荷総計では同103.5%の20万8,624トンで、この結果在庫が12万8,277トンと低水準となっている。
 一方、VCM(塩ビモノマー)の生産は同99.6%の19万3,614トンで、出荷はPVC用が同92.6%と減少したものの、輸出が同121.6%と増加し、出荷合計は同95.1%の20万3,038トンだった。この結果VCM在庫も6万3,426トンと、引き続き低水準となっている。
 上半期(1~6月)では、PVC生産は前年同期比103.3%の119万7,103トン、国内出荷は同98.8%の80万8,275トン、輸出は同110.9%の39万299トンで、出荷総計は同102.4%の119万8,574トンとなった。
 VCMは生産が同122.3%の174万9,949トン、国内向け同103.5%の126万444トン、輸出同92.5%の21万2,930トン、出荷総計は同101.8%の147万3,374トンとなった。
 PVC、VCMともに3月以降設備休止が相次いでいるが、上半期の生産・出荷が昨年を上回る状況となっており、在庫水準が低レベルなど、需給がタイトに推移していることが伺える。
 田代圓VEC会長(東ソー社長)は、「停止した設備の影響は7月以降出てくるだろう。在庫は急ピッチで圧縮される見通しだ。」と語った。下半期については、とくにPVCで一段と需給タイト化が顕在化してくるものと見ている。

http://www.c-nt.co.jp/data/pvc/2000pvc.html">2000年塩化ビニル樹脂生産出荷実績(表)
http://www.c-nt.co.jp/data/pvc/2000vcm.html">2000年塩化ビニルモノマー生産出荷実績(表)