2000年07月26日 |
鐘淵化学工業、太陽光発電システムの販売本格化 |
来年にはハイブリッド型も上市、5年後売り上げ100億円目標 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:カネカ、NEDO |
鐘淵化学工業は26日記者会見し、アモルファスシリコン太陽光発電システムの国内販売を今月から本格化、来年4月には薄膜多結晶シリコンとの積層薄膜ハイブリッドシリコン太陽電池の販売を開始する、と発表した。 今回販売を開始したのはアモルファスシリコン太陽電池の特徴を生かした住宅用屋根用部材で、「瓦一体型」「建材一体型」「据置型」の3タイプで、商標は「カネカ エーシックルーフ」。販売価格はそれぞれのタイプの参考価格が80~120万円/KW。販売目標は4~5年後をめどに約100億円を見込んでいる。 また同社は、次世代技術であるアモルファスシリコンと薄膜多結晶シリコンを積層した薄膜ハイブリッドシリコン太陽電池を通産省工業技術院ニューサンシャイン計画に基づきNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託を受け研究を行っている。この研究で大面積かつ安定効率10%が達成できる見通しが得たため、来年4月より薄膜ハイブリッドシリコン太陽電池の販売を開始する。さらに研究を継続し、2003年度には安定化率12%の実用化を計画している。 同社の太陽電池研究開発は1980年にスタートしているが、住宅用屋根発電、産業用の市場に向けて安定化率8%の薄膜アモルファスシリコン太陽電池をカネカソーラーテック(株)で1999年10月より年産20万MW体制で生産を開始している。 今回の住宅用発電システムは、同社が事業展開を行ってきた断熱材、塩ビ関係商品などの住宅向け市場への重点展開を図るもので、既存のチャンネルを最大限活用することになる。 販売を本格化する「カネカ エーシックルーフ」の特徴としては、量産性に優れた構造と生産プロセスをもち、大面積(最大1m角)基板に直接太陽電池を形成、薄膜系で信頼性が向上している。また、アモルファスシリコン特有のアニール(熱処理)効果により、温度が上がると安定化効率が上昇するため、夏場に多く発電ができ実質発電量に優れる。意匠性としても、モノトーンでブラウン系の落ち着いた色合いで、様々な屋根に柔軟に対応できるラインアップがある。 武田正利社長は「今年からスタートした中期経営計画の重点3分野として、1.ライフサイエンス、2.情報・通信関連、3.住まいに関する分野を挙げているが、太陽光発電システムは住宅関係分野と関連が深い。この分野では、断熱材などの発泡スチレンや畳ではトップシェアで、ほかにも塩ビ壁紙向けレジン、塩ビサッシなど事業展開を進めてきた。住宅資材部のソーラーサーキットシステムでは特約店500工務店があり、こうした販売ルートを最大限に活用する。」と語った。 <参考> http://c-nt.co.jp/news/kaneka1.jpg> 切妻屋根 屋根材一体型 http://c-nt.co.jp/news/kaneka2.jpg> 寄棟 瓦一体型 http://c-nt.co.jp/news/kaneka3.jpg> 切妻屋根 金属板瓦棒 据置型 |