2000年07月26日
チバSC、独ベアロッハーと韓国のステアリン酸塩メーカーに出資
韓国市場で樹脂用プレブレンド事業を強化・拡大
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ

 チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(チバSC)は26日、独ベアロッハー・グループとともに、韓国の斗本(ドゥボン)精密化学に出資し、同社を合弁会社化、韓国のポリマー業界向けにプレブレンド「CibaR PolyAd(チバ ポリアッド)」を生産する、と発表した。
 斗本精密化学は、ステアリン酸塩の大手で、韓国のポリオレフィン業界を中心に供給しているが、今回世界最大の金属系ステアリン酸塩メーカーで、塩化ビニル樹脂用熱安定剤も手がけているベアロッハーの技術ノウハウを採用し、事業拡大を目指すもの。一方、チバSCは、ステアリン酸塩およびポリオレフィン、スチレン系樹脂用を含む全てのPolyAdのマーケティングと技術サポート、販売を担当する。
 PolyAdは、ペレット状の多成分のパッケージで、樹脂メーカーが使用する各種ポリマー用添加剤をあらかじめブレンドし、投入に関する問題の軽減、作業環境の改善、樹脂の品質向上など、作業性の改善・向上を実現するもの。チバSCでは、韓国のポリマー業界のさらなる生産性の拡大が可能になるとしている。
 チバSCのアジア太平洋地域ポリマー添加剤担当副社長であるフィリップ・シュラッファー氏は、「この合弁会社は、急成長しているアジア・太平洋地域におけるチバSCの存在を強力にするものである。ユーザーのニーズに合わせたPolyAdプレブレンドの現地生産を開始することにより、ユーザー業界に貢献することができる。今回のプロジェクトは、チバSCが重要度の高い市場において、添加剤の代表的メーカーでありつつけるためのビジネス戦略に基づいたものである」と語った。
 また、ベアロッハー・ファー・イースト社長のマルパソ・チェン氏は、「今回の投資は、我々のステアリン酸塩とプレブレンド添加剤を使う成形剤メーカーの代表として、ベアロッハーがアジア・太平洋地域だけでなく世界的なポジション強化のためにも、さらなる拡大を目指していることの表れである」と述べている。
 さらに斗本精密化学社長のハンジョン・リー氏は、「チバSCとベアロッハー・グループをパートナーに選んだのは、ドゥボンの戦略的選択によるものであり、(両社の)技術と市場での経験が加わることで、合弁会社は韓国内でのポリマー業界の需要増に対応できる格好のポジションを築くことができるだろう」と今後の見通しを語った。