2000年07月19日 |
東レ、2002年後半をめどに海外でPBT重合拠点構築へ |
コンパウンド拠点強化も検討/今後の業界再編の中で勝ち残り目指す |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:BASF、DSM、ウィンテックポリマー、帝人、東レ、バイエル、ポリプラスチックス、三菱化学 |
東レは、競争が激化しつつあるPBT(ポリブチレンテレフタレート)事業において、海外における重合拠点の構築を検討しており、他社との共同事業化の可能性も含め交渉が最終段階を迎えている。今後、PBTは国内外でアライアンスを含めた業界再編が進む可能性もあり、PBT大手として供給体制の強化を図り、一つのグループを形成して行きたい考えだ。 現在、PBTを生産する方法としては、(1)連続重合法と(2)繊維用バッチ式設備の転用の2つの方法が主流で、欧米を中心とした大手メーカーは主に(1)を、アジアを中心とした繊維メーカーが手がけている場合には(2)の方法を採用している。これに対し東レは、世界で唯一直接重合法により愛媛で年産2万2,000トン設備を操業している。 一方で、PBT業界はグローバルな規模で再編が進む可能性が高まっている。国内でもポリプラスチックスと帝人がPBTおよび強化PET事業を統合して近く合弁会社ウィンテックポリマーを設立するが、今後はマレーシアでのPBT新設なども視野に入れている。また三菱化学は、GEプラスチックスと共同で日本あるいはアジア地域にPBT設備を建設するための事業化調査(FS)を進めている。さらに欧州では、GEプラスチックスとBASFがすでに共同でPBT設備の運営を行っているほか、DSMとティコナ、バイエルの3社が共同で新設備を建設する計画を進めている。 こうしたことから東レも、海外PBT重合拠点の建設を検討している。同社は、今後の新設備は、直接重合法と連続重合法を組み合わせ、いかにコスト競争力のある設備を建設していくか、またいかに原料1,4ブタンジオールを確保して行くか、さらには6万トン規模の生産を行うだけの販売力を確保するかが、大きなテーマになると見ており、他社との共同事業化に向けて交渉が大詰めを迎えている。一方、コンパウンド事業についても、タイのコンパウンド子会社トーレ・ナイロン・タイ(TNT)の生産体制強化や、中国華南地方における生産拠点構築も検討している。これらの結果東レは、今後業界再編が進む中で一大グループを形成し、勝ち残りを目指す考えだ。 |