2000年07月19日
通産省、アセアン対話とアジア石化会議の“接点”模索
健全なアジア石化発展に“相乗効果”
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:昭和電工

 通産省化学課はアセアンとの政策対話を通じて、各国政府や産業界に共通している環境や安全などの課題解決に協力しようと、昨年5月から「化学産業専門家会合」を開催してきたが、石化協が毎年民間レベルで開いている「アジア石油化学工業会議」とも共通点が多いとみて、近く大橋光夫会長(昭和電工社長)ら石化協首脳とこれについて話し合う意向を固めた。
 通産省の政策対話は、アセアン各国でこのところ大規模な石化プラントが相次いで建設されているものの、産業の健全な発展のためには需給動向や環境、保安、技術開発などに関する情報交換、統計整備などが不可欠としてスタートした。9月にはシンガポールで第4回会合を開き、環境問題で各国統一のアクションプランをまとめる。
 一方、石化協のアジア石化会議も昨年までは日・韓・台3カ国の業界人だけの集まりという色彩が強かったが、今年からはオープン化され、通産省からも岡本巌基礎産業局長が出席して基調講演するなど開催形式が全面的に改められた。
 アジアとの関係については、大橋会長も会長就任時の会見で「協調、協力していくことが重要だ」と発言しており、今後は積極的に各国との関係を深めていきたい意向である。政府と民間という、立場や性格の違いはあるものの、通産省では2つの会合の間に“接点”を見出し、双方の活動に相乗効果が出てくることを期待している。