2000年07月18日
PBT、ハウジング向け需要増加で新たな成長期に~今年も2桁の成長
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 PBT(ポリブチレンテレフタレート)は、一昨年の需要の落ち込みを経て、昨年後半から急速に需要が回復、現在は再び2桁の伸びが続いている。この背景には、コネクター向けの樹脂という従来の需要に加え、ハウジングなど大型部品の需要が出てきていることが挙げられている。
 PBTは1998年、アジアの経済危機や国内経済の不況により、マイナス成長を余儀なくされた。(参照http://www.c-nt.co.jp/cgi-bin/passFile.cgi?FILE=data/enpla/1998pbt>※1998年PBT出荷実績)回復の兆しが表れたのは昨年7月で、以後今年5月まで毎月2桁ペースの成長が続いている(参照http://www.c-nt.co.jp/data/enpla/1999pbt.html">1999年、http://www.c-nt.co.jp/data/enpla/2000pbt.html">2000年PBT出荷実績)。
 PBTが再び成長路線を歩みだした背景には、アジア経済の回復、また米国を中心にIT(情報関連技術)の進展にともなう需要が増加したことなどが挙げられるが、さらに技術面のブレイクスルーやポリマーアロイ製品の開発と生産コストの削減が進んだことにより、大型の需要が出てきたことも大きい。これまでPBT主力用途というと、重量1~3グラム程度のコネクターが多かったが、昨年頃からハウジングを含む機構部品などへの採用が増えてきた。具体的にはゲーム機の光磁気ディスクドライブのシャーシにPBT/ABS樹脂アロイが採用されたり、コピー機やプリンターのローラーにPBTの摺動性グレードなどが使われたりしている。これらの機構部品は、コネクターの10倍以上の重量になり、需要の増加に大きく貢献している。直近ではやや成長の鈍化が懸念されているものの、こうしたことから今年のPBTの成長率は10%を超える成長が見込まれる。

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