2000年07月14日 |
旭化成、三菱ガス化学とシンガポールでPPE合弁 |
2002年10月に3万トン/2,6キシレノールは旭化成単独 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:旭化成、新日鐵化学、三菱エンジニアリングプラスチックス、三菱ガス化学 |
旭化成工業と三菱ガス化学は13日、シンガポール・ジュロン島において共同で2002年10月の稼動を目指し、PPE(ポリフェニレンエーテル)パウダー年産3万トン設備を建設することで合意した、と発表した。また原料の2,6キシレノールおよび最終製品の変性PPE設備については、旭化成が単独で建設する。 変性PPEは、IT関連製品の好調を背景に、アジアを中心として需要が増大、また日系ユーザーのアジア生産シフトが加速していることから、こうした需要に対応するもの。PPEパウダーの合弁会社は、資本金3,500万米ドルで、旭化成グループが70%、三菱ガス化学グループが30%出資する。製造設備は年産3万トンで、総額約120億円を投じ2001年春に着工、2002年10月の完成予定。生産されたPPEパウダーは、出資比率に応じて旭化成が2万1,000トン(変性PPE換算4万8,000トン)、三菱ガス化学が9,000トン(同2万1,000トン)を引き取る。 また旭化成は、原料の2,6キシレノールおよび変性PPEについてはグループ100%出資の会社を資本金2,150万ドルで設立する予定で、シンガポールで変性PPEを生産するほか、タイのコンパウンド子会社などでもPPEパウダーを供給して、変性PPEを生産する。 旭化成は現在千葉において年産3万5,000トンとし、米GEプラスチックスに次ぐ世界2位の生産能力を有している。変性PPEを含む機能樹脂・コンパウンド事業は、現在進めている中期経営計画「ISHIN2000」において、競争優位事業に位置付けられており、今回の新設備建設は新日鐵化学の欧米コンパウンド事業買収に続く、同事業の強化・拡大策となる。 一方、三菱ガス化学は、四日市に変性PPE換算で1万トンの生産能力を有しモノマーからPPEパウダーまでを一貫生産、旭化成に次ぐ世界3位のメーカーで、販売は三菱エンジニアリングプラスチックス(MEP)が担当している。今回の計画は、三菱ガス化学にとってはMEPを同社の重点事業として拡大する方策の一環に位置付けられ、同社が進めている中期経営計画「MGC進化21」の柱である“選択と集中”構想にも合致する。また同社にとってはポリアセタール、ポリカーボネートに続く第3のエンプラ海外展開となる。 |