2000年07月13日
中外製薬子会社、米NHLBIと共同で臓器提供者の血液検査法開発へ
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:中外製薬

 中外製薬は13日、100%子会社のジェン・プローブ社と米国国立保険研究所(NIH)の心臓・肺・血液研究所(NHLBI)との共同出資により臓器提供候補者の血液のウィルスを直接検出できる検査法の開発を行う、と発表した。
 ジェン・プローブは、これまで自社技術である高感度の核酸増幅法「TMA法」を利用したHIV-1/HCV同時検査アッセイと、献血血液の全自動スクリーニングシステム「タイグリス」の開発を手がけてきており、現在は同アッセイにより米国の献血血液の70%がスクリーニング検査されている。
 今回の開発プロジェクトは3年間にわたり実施され、総額1,340万ドルのうちジェン・プローブが44%(580万ドル)、NHLBIが56%(760万ドル)を負担するもの。ジェン・プローブのHIV-1/HCVアッセイにHBV検出能を組込み、臓器提供センターが臓器提供者の血液を簡単に検査できるよう、簡便化を促進する。開発されれば、血液サンプルを受け取ってから6時間以内に検査が完了、通常の昼間の時間帯でも、夜中のような変則的な時間帯でも検査することが可能となる。
 なお、ジェン・プローブは、カイロン社と協力して、全く新しい高感度な核酸増幅技術を取り入れた血液スクリーニング検査の開発と市場導入を進めている。現在、米国ではTMA技術の性能が評価され、核酸増幅検査が献血血液と血液製剤の安全性を高めることを照明するため、食品医薬品局(FDA)の規制に対応した試験が行われている。またNAT(核酸増幅法)システムとしての当局の承認はフランスとオーストラリアで取得している。