2000年07月12日
三井化学、シンガポールのフェノール、アセトン供給体制にめど
今年度はフェノール9万トン、アセトン3~4万トン外部購入へ
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、シンガポールのフェノール年産20万トン、アセトン12万トン設備が来年稼働開始するのに先立ってアジアでのプレマーケティングを進めているが、アジア経済の回復、需要成長もあって、供給体制にめどをつけている。
 シンガポールの新設備は来年4月完工、9月に営業運転を開始する予定だが、同社では日本からの輸出および外部購入によりプレマーケティングを進めている。今年度の外部購入はフェノール9万トン、アセトン3~4万トンを計画しており、設備完成後は新設備からの供給に切り替え、稼働開始時点から高水準の稼働が見込めるとしている。
 またシンガポールでは、誘導品のBPA(ビスフェノールA)も14万トンへの倍増を決めており、フェノールで約14万トン、アセトンで4万トンが自消に回ることになり、現在のアジア各国の需要成長を考慮すると中長期的にも問題がないものと見られている。
 アジアでのフェノールおよびアセトン需給は、フェノールではBPAをはじめフェノール樹脂向けに、アセトンではMMA(メチルメタクリレート)モノマー、溶剤など高水準の引き合いが続いており、欧米品の玉流入もないことからタイトに推移している。
 こうした需給タイト化はしばらく続いていくものと見られており、同社でも今年度の外部購入が計画通り進むかがむしろ懸念されるとしている。