2000年07月11日
東レ、海外エンプラコンパウンド拠点強化~米国でQS9000取得へ
欧州では年内をめどにコンパウンド拠点設置
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:東レ

 東レは、エンジニアリングプラスチックの海外コンパウンド拠点の強化に取り組んでいる。昨年、事業体制の見直しを発表した米国では、今後の現地需要拡大に向け年内をめどにビッグ3の品質保証規格であるQS9000の取得を予定している。また欧州では、年内にもコンパウンド拠点を設置する方針。
 同社は昨年、1989年に米ソルーシアとの折半出資により設立したナイロン樹脂の合弁会社モントール(MonTor Performance Plastics)を解消、モントールに出資していたトーレ・レジン(Toray Resin Company)をベースに、PBT(ポリブチレンテレフタレート)およびABS樹脂の商事子会社トーレ・マーケティング・セールス(Toray Marketing&Sales (America))の事業を移管して再編、北米における樹脂事業を独自に展開していくことになった。トーレ・レジンは、これまでの日系中心から、現地ユーザーへも販売を拡大して行く戦略を進めている。米国で自動車向けの材料を供給するためには、国際的な品質保証規格ISO9001をベースに米国の自動車大手であるビッグ3が独自に定めた品質保証規格QS9000の認証取得を義務付けられていることから、同社は年内にもQS9000の認証を取得する方針。
 同社はまた、欧州における事業強化にも取り組んでいる。現在、現地コンパウンドメーカーの協力を得て欧州に生産拠点を設置する計画が最終段階を迎えており、年内をめどに方針を決定する考え。
 このほかタイのコンパウンド子会社TNT(トーレ・ナイロン・タイ)もアジア通貨危機を乗り越え昨年末頃からフル稼動となっており、この結果日米欧亜の4極体制が構築されることになる。