2000年07月10日
ポリオレフィンの内需は引き続き着実な伸びに
石化基本問題懇需要研が下期の需要を推定
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 石油化学産業基本問題懇談会の需要動向研究会が10日に明らかにしたポリオレフィン3樹脂の下期の需要見通しは、内需がいずれも引き続き着実な伸びを遂げるものの、総輸出量から総輸入量を引いた出超量が軒並み前年同期を下回るため、トータルでは各樹脂とも前年の微増にとどまるとの見方になっている。
 ポリオレフィン3樹脂それぞれの下期の需要のうち内需は、LDPEが前年同期比103.3%の101万2,300トン、HDPEが同102%の61万8,400トン、PPが同103.5%の129万4,100トン-となっている。一般景気の緩やかな回復に伴い全体に順調な伸びを遂げるとの見方である。
 しかし一方の輸出入バランスについては、引き続き出超を維持するものの各樹脂ともその規模が縮小するのは避けられないと想定されている。これは、アジアおよび中東でポリオレフィンの新・増設工事が相次いで完工する見通しにある点を計算してのもの。
 この結果、それぞれの総需要量はLDPEが同100.7%の105万6,800トン、HDPEが同100.6%の65万5,700トン、PPが同101.6%の137万5,000トンになると予想されている。いずれも伸び率が極めて小さい点が眼を引く。
 他方、上期の総需要実績見込みは、樹脂によって対前年同期比に若干のバラつきが生じている。LDPEの総需要量は102万5,800トンで前年同期比は1.6%増だが、HDPEは60万9,400トンで1.1%減であり、そしてPPは137万1,800トンで逆に3.1%増となっている。このように前年同月比に差が生まれたのは、内需の伸び率に違いが出たのに加えて出超量にも大きな差異が発生したためと見てよい。
 内需はいずれも前年同期を上回っている。LDPEは4.2%増の99万3,300トンと特に好調であった。PPも3.6%増の132万4,500トンと順調な伸びを遂げている。HDPEの2%増の59万3,100トンも関係者の当初の予想とほぼ一致する着実な伸び率といえる。
 しかし一方の輸出入バランスの出超量は、軒並み前年を大きく下回っている。中でもHDPEの縮小幅の大きさが目立つ。前年同期の3万4,700トンが1万6,300トンに減っている。LDPEも5万7,000トンが3万2,400トンに、またPPも5万1,700トンが4万7,300トンにそれぞれ縮小している。

http://www.c-nt.co.jp/data/miti/f200021.html">2000年下期需要見通し(表)