2000年07月07日
BASF、ドイツのSM設備S&B計画に遅れ
レプソル新設備からの供給進まず/サウジ品調達の可能性も
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:BASF

 BASFは、ドイツのルートヴィッヒスファーフェンにおいて、老朽化したSM(スチレンモノマー)設備のS&B(スクラップ・アンド・ビルド)を実施する予定だが、この間不足するSMの調達に苦慮しており、計画が遅れる可能性が出ている。
 同社は現在、ルートヴィッヒスファーフェンに年産51万トンのSM生産能力を有しているが、1基当たりの生産能力が小さく、また老朽化も進んでいる。同社の計画は、20万トン分の小規模系列を廃棄し、その跡地に新設備を建設するもので、この間のSMの調達が鍵となっている。
 同社は、ドイツのWesselingにもRheinische Olefinwerke(ROW) として、年産40万トン設備を有していたが、昨年10月にシェルとのPO(プロピレンオキサイド)/SM合弁会社BASELLが稼動したことにともない、生産を停止している。
 BASFは、S&B中の不足分を調達するため、今春稼動したスペイン・レプソルYPFのPO/SM併産設備(PO15万トン/SM34万トン)から調達する予定だが、同設備の稼動が思わしくないのが現状。さらにBASELLも稼動があがっていないため、BASFはS&B計画の実施に踏み切れない状況にある。こうしたことからBASFは、「今秋にも第2系列が稼動するサウジアラビアのSADAFからもかなりの量のSMを調達するのではないか」(業界関係者)と見られている。
 なおBASFは、来年以降さらにベルギーでもSM設備の停止を予定している。