2000年07月06日 |
奇美実業、近く中国のABS樹脂12万5,000トン系列が稼働 |
原料ANの市況動向を見てスタートへ |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:なし |
台湾の奇美実業は、中国で建設を進めていたABS樹脂新設備の稼動が目前となっている。すでに試運転は最終段階に入っているが、原料AN(アクリロニトリル)の市況が高止まりしているため、タイミングを見計らって本格稼動を開始する考え。 同社は台湾に年産100万トンの生産能力を有する世界最大のABS樹脂メーカーで、これまで生産したABS樹脂の約半分を中国に販売してきた。こうしたなか、中国における需要の拡大に対応するため、1998年に稼動を開始したPS(ポリスチレン)に続き、江蘇省鎮江で年産12万5,000トン設備2系列、合計25万トン設備の建設を進めてきた。 ABS樹脂新設備はすでに完成、6月から第1系列の試運転を行っていたが、すでに最終段階にあり、いつでも稼動を開始できるという。ただし、原料の一つであるANの市況がトン当たり900ドル台後半の高値で推移しているため、今後の市況動向を見極めた上で本格稼動に移行する考え。また第1系列が稼動を開始したあと、すぐに第2系列の稼動準備に着手、予定通り来春には稼動させる考えで、この結果同社のABS樹脂生産能力は台湾との合計で125万トン体制となる。 なお、中国の新設備稼働にともない台湾の設備は、特殊グレードの比率を拡大し、欧米市場などへもさらに拡販に取り組む方針。 |