2000年07月04日
三菱レイヨン、北米でMMAモノマーおよび高級エステル設備建設へ
アジアでのMMAモノマー新設も視野、成形材料設備建設へ
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:三菱レイヨン

 三菱レイヨンは、北米においてMMA(メチルメタクリレート)モノマーおよび高級エステルの新工場を設立することで本格的なFS(フィジビリティー・スタディ=事業化調査)を開始した。また、アジアにおいてもタイあるいは中国においてMMAモノマーの新プラント建設を視野に、アクリル樹脂成形材料新プラント建設の検討も開始した。
 北米では2003年末~2004年央の稼働開始を前提に、MMAモノマーは年産10~15万トン、高級エステルは1万2,000トンのマルチプラントをいずれも米国テキサス州立地での建設を目指す。製法については直酸法あるいはACH法のいずれかを原料・立地などを総合的に判断、事業形態についても出資のマジョリティを前提に単独、合弁の両面からスタディする。
 同社は、北米においては高級エステルでは1989年に販売会社の「San Esters Corp.」を設立、コーティング・レジンでも1989年に製造・販売会社の「Dianal America,Inc.」を設立MMAダウンストリームの事業展開を進めてきている。今回のモノマーおよび高級エステルの設備建設によって、これら既存会社への原料供給を行うことにもなり、北米でのモノマーからダウンストリームまでのMMA事業体制が構築されることになる。
 一方、アジアでは既にフル稼働のタイMMA5万5千トンを2001年に7万トンに増強するが、さらに中国あるいはタイでの第2系列新設を視野に入れながら、2003~2004年に両国のいずれかにアクリル樹脂成形材料4万トンを建設を検討する。
 同社では今年秋までに北米、アジアのFSを完了し、2001年秋に着工を目指すことになるとしている。投資金額は総額で200億円規模になるとしている。
 同社は現在、MMAモノマーでは合計27万トンと全世界ではIneosグループ(旧ICI)の56万トン、Roehmグループの37万5,000トン、Rohm&Haasの36万トンに次ぎ第4位の生産能力を有している。タイおよび北米での新設備稼働することでRohm&Haasを抜き世界第3位のMMAモノマーメーカーとなる。

<参考>
三菱レイヨンのMMAモノマー生産能力

大竹工場  ACH法  105,000トン
      直接酸化法 110,000トン
タイMMA 直接酸化法  55,000トン
合計          270,000トン

http://c-nt.co.jp/news/mma1.gif>