2000年07月03日
石津旭硝子社長「2004年ROE10%が目標」
「フッ素樹脂光ファイバー」「酵母蛋白質」発表
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:旭硝子

 旭硝子は3日、マスコミ懇談会を開き、新開発した「フッ素樹脂光ファイバー」(商品名『ルキナ』)と「酵素を用いた蛋白質生産技術の事業化」(同『ASPEX』)について、現状などを説明した。このあと記者会見した石津進一社長は、今後はこの2つの技術に代表される情報エレクトロニクス分野とライフサイエンス分野を中心に事業を拡大し、2004年3月期には、ROE10%を達成したい、と要旨次の通り抱負や展望を語った。

(1)景気回復がいわれているが、まだその実感はない。しかし当社は“Shrink to Grow”を施策の柱に掲げ、中期経営計画の達成に着実に取り組んできた。2002年3月期にはROE6%を実現したい。また、2004年には10%が達成できるよう現在次の中期経営計画策定に取り組んでいるところだ。

(2)これからフォーカスする分野として、情報エレクトロニクスとライフサイエンス、エネルギー・環境分野の3つを考えている。情報エレクトロニクスには当社のステッパー用レンズやフォトマスク基板、CD,DVD用光ピックアップ部材などの光関連事業が生かせるし、光通信関連でも多層膜フィルターや非球面レンズなどの技術を持っている。ディスプレイ関連もCRT、FPDなどもっている技術を最大限生かしていきたい。

(3)ライフサイエンスでは「ASPEX」が将来中核事業になり得ると期待している。ほかにも新しいタネが出てきているし、明るい展望が開けようとしている。ただ、従来のコモデティ分野も大切なので、徹底的にコストダウンし、世界に出ていきたい。インドネシアなど海外の電解事業は、ダウンストリームを含めて新しい展開を考えている。
「eコマース」にも乗れるものは乗っていきたい。当社にとっての課題は、市場環境の変化の中でファイナルユーザーの動向や気持をどうつかむかにあるといっていい。お客と直に接し、遅れないようにつかみとっていくようにしたい。