2000年07月03日
BASF、アメリカンサイアナミッドの買収を完了
過去最大の買収/10月には新体制がスタート
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:BASF

 BASFは1日、アメリカン・ホームプロダクツからサイアナミッド農薬事業の買収を完了した、と発表した。BASFとしては過去最大の買収で、この結果同社の農薬事業は規模が倍増、世界第3位の農薬メーカーとなる。
 今回の買収は、欧州委員会の承認を得て完了したもので、米国ではすでに6月初旬、独禁法関連当局に認可が下りている。BASFの役員で農薬を含む健康・栄養関連部門担当のE・フォシェラウ氏は、「この買収は農薬事業におけるBASFの力を地域的にも製品ポートフォリオ的にもバランスよく拡大することになる」と語った。BASFでは、買収効果について(1)北米、南米、アジア市場を中心として地位の向上と、欧州市場における地位の強化、(2)ほとんどの主要作物に対し、革新的な製品群を提供するとともに、殺虫剤がラインアップに加わる、(3)研究開発面で、今後2006年までに上市可能な新規有効成分が15品目加わり、これらだけで最大20億ドルの売上高が期待できる、の3点を挙げており、2億5,000万ドル規模のシナジーを見積もっている。
 BASFは3月末の契約調印以来、統合計画の推進を積極的に行い、北半球における秋の農薬シーズンに向け準備してきた。農薬事業本部プレジデントのF・フォーゲル氏は、「このような短期間で計画を実現することができて、大変満足している。これからの両社農薬事業の統合プロセスも順調に進むと確信している」としている。
 なお、BASFの農薬の1999年度売上高は19億米ドルで、統合後は売上高36億ドル、営業利益で4億5,000万ドルを予想している。同社はすでに新しい農薬事業の組織および主要な100の役職を決定しており、今後世界各国で買収手続きを進め、詳細を決定する。グループ統括本部は新たに米国ニュージャージー州のマウントオリーブに置き、10月には新体制をスタートさせる考え。