2000年06月28日
新日鐵化学、錦湖グループとフェノール/BPA合弁
錦湖の資産を引取り来月営業開始/BPAは増設を計画
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:新日鐵化学、三菱化学

 新日鐵化学は28日、同日開催した取締役会において、韓国の大手化学メーカーである錦湖石油化学および同社の系列会社3社と、韓国において新たな合弁会社を設立することを決定した、と発表した。合弁会社は、錦湖グループの錦湖開発からフェノールおよびBPA(ビスフェノールA)の事業と資産を譲り受けて製造、販売を行うとともに、今後BPAの増設を検討する。
 錦湖グループのフェノール、BPA事業は、当初1987年にシェルとの折半出資会社として設立された錦湖シェル化学に始まり、その後シェルが資本を撤退、錦湖P&B化学として事業を展開、現在フェノール年産12万トン(副生アセトン7万2,000トン)、BPA3万3,000トンの生産能力を有している。今回の決定にともない、これらの事業および資産を錦湖開発に移管したうえで、新たに錦湖P&B化学を設立するもの。資本金は1,050億ウォン(約100億円)で、出資比率は錦湖グループが51%(錦湖石油化学4.7%、錦湖化学9.2%、錦湖産業18.4%、アシアナ航空18.4%)、新日鐵化学が49%となっている。また代表者は錦湖石油化学から指名し、7月から営業を開始する。従業員数は約340人。
 今回の合弁会社設立は、事業売却が噂されていた錦湖と、以前からアジア地域におけるBPA事業の展開を模索していた新日鐵化学の思惑が一致したものと見られ、錦湖のフェノール、BPA事業を引き継ぐだけでなく、100億円規模の投資を実施し、新たにBPA設備の増設を行う方針。
 新日鐵化学は、三菱化学との合弁会社新日本フェノールとして戸畑にフェノール12万トン、関連会社の東都化成および三菱化学との合弁会社新日本ビスフェノールとして大分にBPA9万5,000トン設備を有している。
 なお新日鐵化学グループは、東都化成が韓国でエポキシ樹脂の合弁会社国都化成として事業を展開しており、海外におけるフェノールからBPA、エポキシ樹脂までの一貫体制の強化と、高成長が続いているPC(ポリカーボネート)向けの拡販につながると見ている。