2000年06月27日
三井化学、PE価格をさらに上方修正
7月出荷分からナフサ2万2,000円体系に
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、高密度ポリエチレンならびに低密度ポリエチレンの販売価格を7月出荷分からさらに引き上げることになった。早急に各需要家に対して説明と説得を開始する。
 同社は、かねてから原料ナフサの高騰分をスライドさせるかたちで両ポリエチレンの価格修正に取り組んでおり、今年4月からの出荷分についてはメーンのフィルムメーカーをはじめ多くの需要家からナフサ1キロリットル当たり2万円体系に改めることで同意を得ている。従来の価格は、ナフサ1万7,500円見合いのものであったが、1~3月期にナフサ価格が同2万円に跳ね上がったため、その上昇分を樹脂価格に転嫁することにして需要家を説得していたもの。
 交渉に際しては、ナフサ価格の変動に合わせて自動的に樹脂価格を改めていくいわゆる“ナフサ・スライド制”を採用していくことも提案してきたが、関連企業や外資系企業、さらには主力ユーザーの多くからこの点についても同意を得ることができているという。現在のところ、全販売量の約20%がナフサ・スライド制の取り引きに移行しているとのこと。またこれに合わせて、小口配送分のコストの需要家負担や支払いサイトの短縮などの商慣行の改善についても大手コンバータをはじめとした多くのユーザーの同意を得ている。
 そうした同社が7月から価格の再修正に踏み切ることにしたのは、4~6月期のナフサ価格がさらに上がって同2万2,000円になることが確定的となったことによる。説得に当たっては、ナフサ・スライド制度の採用をより多くのユーザーに認めてもらうことにも多くのエネルギーを傾注していきたいとしている。年内に全出荷量の30%どころがナフサ・リンク制に沿って取り引きされるように持っていきたい考え。