2000年06月27日
東亞合成、台湾・接昌工業とアクリル系特殊モノマー・オリゴマー合弁
2001年春に6,000トン設備で生産開始
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東亞合成

 東亞合成は27日、台湾の大手UV樹脂メーカーである接昌工業とUV樹脂などの原料であるアクリル系特殊モノマー・オリゴマーを生産するため、合弁で「東昌化学(TOA-JET CHEMICAL co.,ltd)」を設立することで合意した、と発表した。日本のアクリル系特殊モノマー・オリゴマーメーカーとしては、初のアジア生産拠点となる。
 新会社の設立は12月を予定しており、資本金は1,500万NTドル(約5,200万円)で東亜合成が51%、接昌工業が49%出資する。本社は台湾桃園県観音工業団地の接昌工業内に置く。生産能力は年産約6,000トンで、2001年春の生産開始を予定しており、初年度20億円、3年後には30億円の売り上げを目指す。なお新会社の董事長は未定だが、東亞合成側から派遣する。
 現在、日本ののUV樹脂原料の市場は約1万5,000~2万トン、またアジア市場も同程度と推定されており、東亞合成は国内で約30%のシェアを有している。UV樹脂は、無溶剤の塗料・インキ等の製造が可能な環境に優しい製品として、今後、日本およびアジアで年率15%程度の大きな需要の伸びが期待されるという。
 東亞合成は、昨年春にシンガポールでアクリル酸・アクリル酸エステルの製造を開始しているが、今回の合意により誘導品であるアクリル系特殊モノマー・オリゴマー事業でもアジア展開を具体化したことになる。今後は合弁会社を生産拠点として、アジアでのアクリル系特殊モノマー・オリゴマー事業を拡大、将来は潜在需要の大きい中国における生産も視野に入れていく方針。
 なお、販売については、現地法人を台北に設立、アロニックスのほか、汎用アクリルポリマー、ニューポリマー(UFOポリマー)などを積極的に販売展開していく考え。