2000年06月23日
PC、米国バイエルの事故の影響で台湾市場の玉が不足
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:バイエル

 PC(ポリカーボネート)は、5月31日に米国テキサス州ベイポートで発生したバイエルの設備の事故により、世界的なディスク生産拠点である台湾において玉不足となっているもようだ。
 バイエルの事故は、5月31日午前9時40分頃に発生、電気系統の操作パネルから出火したもの。これにともなって2、3日後には、PCおよびPC/PETなどのアロイ製品について、米国のディストリビューターにフォースマジュール(天変地異などによる不可抗力)を宣言した。また6月7日には米国でシートなどを手がけているSumma Industriesが、「30日間程度は他のメーカーから調達することで対応できるものの、再稼動に時間がかかれば玉の調達および市況にも影響が出てくるだろう」とのコメントを発表した。
 PCは世界的に需給がタイトとなっており、このため3月に発生したタイ・ポリカーボネートの事故の影響も続いているアジア市場への影響が心配されているが、世界最大の光磁気ディスク生産拠点である台湾において、米国からレジンを輸入しているディスクメーカーの中には、「バイエルから少なくとも1ヶ月間は供給できない」と言い渡されたメーカーもあり、玉不足が深刻化していると見られている。
 一方、バイエルの米国拠点から日本への供給は少なく、日本市場への影響はほとんどないと見られているが、その反面業界内では、これまでコンパウンド品の輸出をメインに行ってきたタイのバイエル・ポリマーズが、米国の供給を補うためナチュラル品の輸出するのではないかと言われており、世界2位のメーカーの事故の影響は、これからさらに出てくる可能性もあるようだ。